過去の傷も全部、君の熱で上書きして。


脳裏に蘇るのは、大学時代に付き合っていた元カレの冷酷な言葉と表情。​

『お前って本当に重いし可愛くない』

『もっと物分かりの良い大人になれよ』

​あの時感じた絶望、裏切られた時の虚無感、一人夜道に取り残された時の冷たさ。

過去のトラウマが、黒い影となって結衣の心を締め付ける。​


(だめ・・・・・。ダメだよ、結衣。調子に乗っちゃだめ・・・。)​


ソファの上で膝を抱え込み、結衣は強く目を閉じた。​

廉は3つも年下の、社内でも注目の的になるような格好良くて優秀な男性だ。