過去の傷も全部、君の熱で上書きして。


いつも見せる柔らかい笑顔は消え、真剣そのものの鋭い瞳。

スマートかつ手際よくキーボードを叩き、他部署との調整の電話も低く落ち着いた声で完璧にこなしていく。​

普段は''可愛い後輩''として接していたはずの廉が、今は誰よりも頼もしい''一人の男''として、全力で結衣を守り、引っ張ってくれている。​


(かっこいい・・・・・。年下だと思ってたのに・・・こんなの、反則だよ・・・・・。)​



テキパキと指示を出す廉の男らしい横顔と、作業の合間に
「先輩、温かいお茶飲んで一息ついてくださいね。」
と優しく差し出された缶コーヒー。

その圧倒的なギャップに、結衣の胸は壊れそうなほど激しく高鳴っていた。​

廉の驚異的な処理能力と完璧なフォローのおかげで、絶望的だった修正作業は終電前にすべて完了したのだった。​


「本当に、本当にありがとう瀬戸くん! 瀬戸くんがいなかったら私、明日どうなってたか・・・。」​