強がりな先輩と、重すぎる愛をくれる年下くん。

当時、彼女には付き合っている男がいた。

けれど、その男が彼女を雑に扱い、傷つけていることくらい、遠目から見ていても分かっていた。​

「・・・・なんで、あんたなんだよ。」

​胸の奥が、焼けつくように痛んだ。

平気なフリをして笑うのが上手な人だ。

周りに迷惑をかけまいと、辛い時ほど一人で抱え込んで、誰にも頼らずに泣く人だ。


強がりで、脆くて、愛おしい。


​あんな男のところで傷ついているくらいなら、俺のところに来ればいいのに。

俺なら絶対、そんな顔させない。

誰よりも大切に愛して、泣かせることなんて絶対にしないのに。​

だけど、当時の俺はただの新入社員…

ならぬ、ただの大学一回生だった。

三つ下の子供扱いにしかされない立場では、差し伸べた手すら「気遣い」として処理されてしまう。

彼女の隣に立つ資格も、その手をとる強さも、当時の俺には無かった。

​彼女はそのまま卒業し、俺の前から姿を消した。