過去の傷も全部、君の熱で上書きして。

「ちょっと結衣、聞いてる!? 今年の新人、瀬戸くん超アタリじゃない!?」​


お昼休みの社内食堂。

向かいに座る同期の莉子が、パスタを突つきながら興奮気味に声を潜めた。


​「そっちの仕事の話じゃなくて顔! スタイルもいいし爽やかだし、既に他部署の女子の間でも噂だよ。大学のサークルで一緒だったんでしょ? どんな感じなの、プライベートは?」

​「どんな感じって言われても・・・普通に可愛くて素直な後輩だよ。昔からみんなに優しかったし。」

「えー! じゃあ彼女とかいないのかな? 結衣、メンターなんだからさりげなく探っておいてよ。なんなら連絡先聞いてもらおうかな。」


​乗り気な莉子に対し、結衣は苦笑いしながらスープを一口飲んだ。​