ある日郵便ポストに手紙が入っていた。
新聞の切り抜きでコラージュされた脅迫文だった。
「ヒィッ」
家の奥ではピアノを無邪気に弾く8歳の弟が。
相反する出来事に家に駆け込み、
母親に知らせる──ようも、
「ピアノ教室でレッスン覚えてるのね〜!
何て曲?「ねぇママっ」「シューベルトの野ばらだ
よ〜」と被せ気味に言われ、こんな三文芝居打って
る場合じゃない!通報しなきゃ!首を傾げ、セミロ
ングの髪を振りまきながらわたしの元へ駆け寄る母。
ダイニングテーブルの上に置かれた殺人予告文をみて
「きゃああああああああああああああああ」と金切
り声を出すのだった。やっと事態を把握したのか。
弟はその叫び声を聞き捨てならず、半狂乱の母親の
いるダイニングキッチンへ向かう。


