弁護士さん、恋愛の仕方がわかりません

前半はまだわかった。
疲れていることに気づいてくれて嬉しかった。
うん。疲れているとき、優しくされると余計に沁みるもんね。

でも、後半はさっぱりわからない。
えぇと?精神的サポートと、脳内法廷?
それでどうして婚姻届が出てきたのだろう…?

というか、婚姻届も意味がわからないけれど、夜間の膝枕およびよしよしってなんだ?!

「ご理解いただけたようで…」
「いえ、まったく」

私が真顔で答えれば、高嶺さんは眼鏡のアンダー部分を人差し指の背でクイッ、と押し上げて軽く咳払いをする。

「もしかして…給与のことが気になっていますか?ご安心ください、直近半年分の給与明細は持参しています」

ブリーフケースから新たな何か…おそらく給与明細を出そうとしてきたので「大丈夫です!」と全力で止めた。

新たなアイテムをあれこれ提出されたとしても、私の答えは変わらないのだから。

「とにかく!お断りします、ごめんなさい」
「では、どうしたらお受けしてくださいますか?」
「少なくとも私を精神的インフラにするような方との婚姻は考えられないですね」

ハッキリきっぱり。
こういうタイプには容赦なく言ってしまったほうがいいと恋愛小説で学んだ。