弁護士さん、恋愛の仕方がわかりません

「ていうか、高嶺さんも私のことみよって呼んでもいいですよ?」

私は苺大福のフィルムを剥がしながら言う。

田中という苗字は日本でも多いほうだ。
学生時代、クラスに2人いることもあったし、今の職場であるコンビニにも3人のタナカがいる。

下の名前で呼ばれることなんて珍しいものでもない。

そういう意味で言ったのだけれど…?

なぜか、高嶺さんは固まってしまった。

「………」
「えっと、高嶺さーん…?」
「大変ありがたい申し出ですが、こちらにつきましても一度持ち帰り、慎重に検討を重ねた上で、後日正式に回答を…」
「そこまで!?」

なぜか重要案件となってしまった、私へのみよ呼び。

まあ、高嶺さんの好きなタイミングで呼んでもらえればそれでいいか、と私もあえて深く突っ込まず…。
その後は高嶺さんの仕事について(守秘義務もあるのでさらっとではあるが)話し、苺大福を食べ、きっかり10分でお開きとなった。