弁護士さん、恋愛の仕方がわかりません

私はトートバッグから苺大福を取り出し、むっちりした自分の手のひらにのせる。

そして高嶺さんの目の前へ。

「どうです?友達、いいと思いませんか?」

そっと苺大福を手に取る高嶺さん。
それを両手で優しく包めば、小さく頷いた。

「ところで、一般的な友人は定期的な傾聴以外のメンタルケアが含まれることはありますか?」
「えっと……どういうことでしょうか?」
「…夜間における膝枕ならびに情緒安定のためのよしよしは、」
「それは無いですね」

バッサリ切り捨てると、大きく瞳を揺らす。

そんなに膝枕とよしよしをご所望なのか、この人は!
いくら私の太ももが膝枕に適していそうだとしてもお断りである。そういうサービスを生業としているところへ行ってもらいたい。

「恥ずかしながら僕には友人という人間関係を構築した経験が乏しいため、正確な定義はわかりかねますが…」
「?なんでしょう」
「いきなりの婚姻ではなく友人としてのワンクッションを挟むことが、お互いの合意形成を円滑にするという判例があるわけですね?」
「ちょっと何言ってるのかわかりませんけど、あくまでもただの友達で最終ゴールが婚姻届ってことではありませんからね?!仕事終わりのトーク友達です!」