ウツツを抜かして


「あんた……。変だな。アイドルが来た──って
普通慌ててパニックになる筈なんだけど」


グッと近づく真剣な表情。ドラマや映画でよくみる
シーンを切り取ったものみたい。


現実か頭の中の千早君のイメージがあやふやになる。


「俺のこと好きにしていいよ、国民がアイドルに
欲する欲みたいなもの曝け出して……?」


両手5本指が絡み合う。


空気に飲まれそうになりながら、


「あっ。あの洗濯機みてくるねっ!」