安定期に入った頃、明が兄夫婦が住む家にやって来た。
スイスのチョコレート、バタークッキー、置き時計をお土産とお祝いを兼ねて、持って来たのだった。
葵は仕事で不在で、真緒が受け取って、ノンカフェインのお茶を一緒に飲んだ。
葵と明は、一緒にいると双子と間違えられる程、良く似てる兄弟であった。
葵は幼少の頃からイギリス、明は中学からスイスに。
長期休暇に顔を合わせるくらいで、同じ家で生活した事は殆どなかった。
「兄は学校で、どんな風に過ごしてましたか?」
葵と真緒は、高校一年の時クラスメイト。
「頭が良くて、誰にでも優しくて、人気者だった。夏季球技大会でバスケの腕前を披露してたよ。」
「昔から兄は人気者なんです。運動神経抜群で、剣道の達人でもありますし、自慢の兄です。」
真緒の腹はまだ、そんなに目立ってなかった。
乳房は張って痛みを感じた。
妊娠六ヶ月に入り、性別が分かった。
男の子である。
ベビー用品を買いに、デパートに出掛けた。
葵は荷物持ち要員で、健診にも付き添った。



