よそ見なんてしてません!…たぶん。


 パタパタと手で顔を扇ぎながら、ふーっと長めの息を吐き、心を落ち着ける。

 これも何度も妄想しているけど、妄想の中でも破壊力がヤバすぎる。

 現実となったら……

 私、生きて耐えられるかな。

 心臓破裂するんじゃないかな。

 鼻血出して気絶するとか。

 まだ起きてもいないことを、いつまでも妄想したり、心配したり……

 ああ。

 でも、会いたいなぁ……。

 そんなことを思いながら、ふぅと息を吐いた。

 「付き合ったの!?おめでとう!」

 !?

 いきなり隣のテーブルの会話が耳に入ってきて、箸を持つ手が止まる。

 「うんー、でもなんか早過ぎた?とも思う」

 「なんでよ、お互い好きならいいじゃん」

 「付き合うってなってさ、すぐキスしてきたのね。なんか距離の詰め方が手慣れてるなって思っちゃって」

 「あーなるほどね、わかる。自然にしてくる人ほどちょっと怪しいよね」

 耳が大きくなっちゃってるんじゃないかと思うほど、隣のテーブルの看護師二人の会話が鮮明に聞こえる。

 ドクンドクンと胸が嫌な音を立て始める。