これって、推し様が私を好きですか!?

 2人の応援グッズを初めて同時に受け取ったことが嬉しくて、両手のひらを見つめていた私は、ふと、その色の鮮やかさに気づいて疑問を口にしてみた。

「あの、マスカットの皆さんって、それぞれ決まった色とかがあるんですか?」

まだ出会って間もない。

グループみんなが好きな『箱推し』となった推し活というものを最近知ったの私は、アーティストに『メンバーカラー』というものが存在することすら、この時まで何も知らなかったのだ。

 私の言葉に、レンくんが楽しそうにクスッと笑った。

「そうだよ!僕のカラーがその青でね。
 で、あんみちゃんが今もらったそのタオルの緑が――かつみさんのカラーだよ」

「ついでに言うと、今日来ていない柚希はオレンジ色」

「え……?」

 自分の両手のひらにある、青と緑の宝物を何度も見つめる。

 もう路上ライブが見られないかもしれないと絶望していたこの数日間。

スケジュールが合わなくて寂しかった私の両手に、まるで運命のグラデーションのようにして、2人のシンボルカラーが綺麗に収まってくれた。

「どっちも、大切にするね」

 CD以外の応援グッツを初めて2人から受け取ったことが嬉しくて、青と緑のグッズを胸にぎゅっと抱きしめた。

 これからもマスカットの音楽を、みんなの歌をずっと応援し続けるという静かな意を決した。

 やっと見つけた宝物、マスカットの歌がもう二度と会えないかもしれないと絶望していた日間が、嘘のように愛おしい音楽で満たされていく。