これって、推し様が私を好きですか!?

 幸せな気持ちは長くは続かなかった。

 次の日、バイトに向かう電車のなかでスマホを開いた私は、公式アカウントのタイムラインを見て画面に非情に並ぶ文字に、息を呑んだ。

『通報のため路上ライブ終了します』

 初めて体験する路上ライブの世界。

 無知だった私は、その文字を見た瞬間、目の前が真っ白になった。

(通報されちゃったんだ……。
 じゃあ、もう路上ライブ自体ができなくなって、彼らはいなくなっちゃうの!?)

 寂しくて、怖くて、胸がぎゅっと締め付けられる。

「しばらくはお会いすることができなくなってしまったのでしょうか?」

 どうしても諦めきれなくて、夕方17時、震える指先でそっとSOSのメッセージを送った。

 返事はない。

 バイト先に到着しても仕事が手につかず、私はたまらなくなって店の店長に「もう歌う姿が見られないかもしれないんです……」と泣きそうになりながら相談してしまった。