推しラブ

「よし、じゃあ今からやろ〜!じゃあ男女分かれて、スタート!」
 僕の言葉に、みんなドタバタと部屋を分かれる。
 や〜、恋バナなんて、いつぶりだろ〜。まぁ、毎回僕は、好きな人なんていなかったけどね〜。
「じゃあ速くやろ〜!!まずはリーダー流星から!」
 素衣くんがそう言うと、
「は!?俺が1番目かよ!」
 と、流星くんは驚いたように言った。
 まぁ、驚くのも無理はないと思う。多分。流星くんは、最近、好きな人ができたっぽいからね〜!ふっふっふっ。僕も、流星くんの口から聞くの、楽しみにしてたんだ〜。
 だけど、流星くんは、顔を赤くして、
「俺は1番最後!」
 と言って、口を固く結んじゃった。
 むぅ〜、早く聞きたかったのに〜!でも、1番最後に聞けるってことだよね〜。最後の楽しみとして、取っといてあげよう。
「じゃあ、1番先に言いたい人いる〜?」
 僕がそう聞いたけど、誰も何も反応しない。
「ちょっと〜、みんな、なにか反応してよ〜!」
 そう言って、僕は、わざとっぽく頬を膨らましてみせる。だけど、それも関係なし。
「じゃ〜あ!好きな人がいる人は〜?」
 僕がそう言うと、流星くんが、恥ずかしそうに手を挙げた。
 あ〜、もう!やっと反応してくれた!
「流星くん1人だね!じゃあ流星くんからでいいじゃん!」
「結局俺が1番目かよ…。」
 流星くんは、気が乗らないように言う。
「まぁまぁ、好きな人は誰なの?大体予想はつくけどね〜。」
 素衣くんは、興味津々なようで、身を乗り出してそう聞く。
「僕も気になります。」
「流星〜、さっさと教えてや〜。」
「っ〜〜、…!」
 勉くんと川雨くんにも急かされて、流星くんは、顔をりんごぐらい赤くさせる。
「わかったよ!言えばいいんだろ!?」
 そう、流星くんは、開き直ったように言った。
 予想、合ってるかな〜。まぁ、合ってると思うけど〜。
「えっと…。咲花ちゃん…。」
 名前を言うところ、声ちっちゃすぎて、聞こえないよ〜。
「もう1回言って!声ちっちゃすぎて聞こえなかった!」
 僕がそう言うと、流星くんは、またしても恥ずかしそうにしながら言う。
「もう1回!?さ、咲花ちゃん…!」
 次こそは、よぉ〜く聞こえました〜!
「どこが好きになったん?」
 あっ、それ、僕もめっちゃ気になる〜!
「す、好きになったところ?えっと、優しいところ、とか、かな。」
「うんうん、わかるわかる!咲花ちゃん、めちゃくちゃ優しいよね!」
 僕は、共感する。
 今日あった宿題の時、僕だけがわからないところ、多かったんだ。だから、ちょっと落ち込んでた。そのとき、
−−−−−−光くんには、笑顔が似合うよ。だから、なにか困ったことがあったら、私たちに言ってね。
 って、言ってくれたんだ。
「見た目、はどうなんだ?」
 今までずっと黙っていた時基くんが、流星くんにそう聞いた。
 あ〜、たしかに見た目、というか顔、僕並みにめちゃくちゃ可愛いからね〜。
 僕は、そう思いながら、1人で頷く。
「そ、そりゃあ見た目も、か…、可愛いけど、1番は、めちゃくちゃ優しかったから。」
 そう答えた流星くんに、僕は、かわいそ〜って感じて言う。
「咲花ちゃん、モテモテっぽいから、奪われないように、用心しないとね〜。」
「ま、まぁそうだな…。」
 少し残念そうに言う流星くんとは対象に、
「…女子は敵に回してそうだけどな。」
 何を考えているかわからない表情で、時基くんが言う。
「そうだね〜。ただでさえ可愛くてモテモテな上に、こ〜んなに可愛い僕が周りにいるんだよ♡」
「光のその自信はどこから来るんだよ…。」
 流星くんにそう言われて、僕は首を傾げる。
「え?みんなは自信ないの?自分はかっこいい、可愛いって、思わないの?」
 そう言って僕はみんなを見る。
「俺は自信ないな…。」
「俺は特になんとも思わへんわ。あ、ツッコミがきまったときは、うわっ、俺かっこいいー!!って思うけどな!」
「僕は…、特に…。逆に、地味キャラではないかと…。」
「俺は思う!」
「…俺は何も考えない。」
 流星くん、川雨くん、勉くん、素衣くん、時基くんの順に答える。
「素衣くん!やっぱりそう思うよね!同士だ!というか、時基くんに関しては、何考えないって、どういうことなの!?鏡の前で、え、俺、めっちゃかっこいい!とか考えたりしないの!?」
「思わない。」
 即答すぎ〜…。
 え〜、ほんとかな〜?…でも、今のは即答すぎて、疑いようがないよ〜。
 って、もう恋バナじゃなくなってるよ〜!
「みんな〜、恋バナに戻ろうよ〜!」
 僕がそう言うと、みんなはっとした顔になる。
「あ、そういえば、俺ら、恋バナやってたんだったね〜。」
 思い出したように、素衣くんが言った。
「5人は、好きな人いないの?」
 自分の好きな人を言った流星くんは、他の人の恋バナも聞きたいようで、そう聞いている。
「う〜ん。僕はいないな〜。まあ、咲花ちゃんは、頼りがいのあるお姉ちゃん的存在!」
 僕は、そう答える。
「俺もいいひんなぁ。俺はお笑いが1番興味あるからな!けど、桜ちゃんならコンビでお笑いできるかな〜とは考えてるけどな!」
「僕もいません。色々忙しいですし、そういうことを考えている暇はありませんので。」
「俺もいないな〜。まだそういうの全くわかんないし。」
「俺もわからない。ただ…、みんな弟分だとか、妹分だとは思っている。」
 僕たちがそう答えたのを見て、流星くんは、
「全員いないのかよ…。」
 と言っている。
「まあ、今の話聞いて1番気になるのは、時基の話!俺らのこと、弟分だと思ってたのは知ってたけど、咲花ちゃんたちのことも妹分だと思ってたの!?」
 流星くんが、驚いたように言う。
「あぁ、ほっとけないやつが増えたとも言えるな。」
 時基くんは、ためらいもなく言った。
 僕も初耳なんだけど〜!?いつの間にそんなこと考えてたの!?
 僕がそう思うのと同時に、
「俺も知らへんかった!いつの間にそんなこと考えてたん!?」
 川雨くんが、僕が考えていたことと同じことを言った。
「ん?だいたい最初からだが。」
 そう言った時基くんに、僕は驚いて聞く。
「えぇぇ〜、だいたい最初〜!?…ってどのくらいなの〜?」
 すると、時基くんは考えるような仕草をしてから、
「そうだな…。初めて話した頃ぐらいだ。」
 と言って、みんな、驚いた顔をした。
 僕ももちろん。
 初めて話した時__。あっ、視線が集まったから、別の場所で話したときか。そんなに早いときから〜!?
 時基くんって、女の子相手にそんなこと思うんだ〜。へぇ〜、知らなかった〜。
「…何か、失礼なこと考えてるだろ。」
 そう言う時基くんの瞳は、僕の方を見ていて、細い目をもっと細くしている。
「てへへ、バレたか〜。」
 僕はそう言って、舌を出す。
 時基くんは、表情を変えない。
 あ〜もう!時基くん……っていうか、男の子には、可愛い表情は通じないな〜。
「ごめんね〜?怒んないで!」
「わかった。」
 またしても即答…。
 うわぁ、すぐ許してくれるの、さすがお兄ちゃんって感じ〜。
「あは〜、とりあえずありがとう〜。さすがお兄ちゃんだね〜!」
 僕はそう言う。
 だけど、時基くんは、不服そうな顔をしていた。
 その様子を見て、みんな苦笑いをこぼしていた。
 なんで不服そうなんだよ〜!
 僕たちの話し合いは、まだまだ続いた。