推しラブ

 はぁ…、色々あったけど、お祭りも楽しかったなぁ…。それにしても、あの男の子は、なんで私なんかを誘ったんだろう…?理由の途中で流星くんが来てくれたから、聞けなかったんだよね…。
 今は、みんなで私のお家に集まって、明日の日程について話し合ってるから、集中しなくちゃっ…!なんか、修学旅行みたいで楽しい…!
「明日、なんかしたいことある?なんかあったら言って。」
 その流星くんの言葉に、みんなは考えるような仕草をする。
 明日…。なにか、あるかな…?というか、1日経つの早すぎる…!楽しいからかな…?って、明日何をするか考えるんだった…!もうっ、私、忘れすぎだよっ…!
 うーん、明日かぁ…。とりあえず、宿題と推し活は決定だから、それ以外…。
「好きなことを言い合ったり、得意なことを発表し合ったりっていうのはどう〜?」
 素衣くんが、気楽〜な感じで言う。
「面白そう!みんなの好きなことも気になるし。」
 流星くんがすぐに賛成する。
「私もやりたいわ。楽しそうね。」
 美空ちゃんも賛成して、みんなも頷く。
 うーん、私、得意なことなんて、あったかな…?…、私だけ、頷いてないけど、多分多数決でこれに決まるし、私だけが少し気が乗らないので、しないってなっちゃったら駄目だよね…!でも、得意なことはないとしても、みんなの好きなことを知るのは楽しそうっ…!
 私がそう考えていると、
「咲花ちゃんは?」
 と聞いてくれた。
 りゅ、流星くん、良く見てるっ…!
「わ、私もやるっ…!」
「…やりたくなかったら、やんなくていいんだよ?」
 わっ、気を遣われちゃった…。
「本当に大丈夫だよ…!私、やりたい…!」
 そう言うと、流星くんはまだ心配そうな様子だけど、納得してくれた。
「ならいいんだけど…。」
 あはは……、心配させちゃった…。
「なぁなぁ!せっかくやし、いまから、男女分かれて、恋バナでもせえへん?」
 話題を変えるように、川雨くんが言う。
「うんうん!お泊りの定番って感じでいいね!やろうよ!」
 光くんも言う。
「じゃあ、咲花ちゃん、なんか、男女分けられて、それぞれの話が聞こえないような、部屋ある?」
 素衣くんが私に聞いた。
「ええっと……。」
 2つの部屋ってことだよね。それに、それぞれの話が聞こえないようなお部屋…。…あっ、1階と2階なら、聞こえる心配もないと思うから、じゃあ、1階にある和室と、2階にある私のお部屋にすればいいかな。
「和室と、私のお部屋、でいい…?和室は1階、私のお部屋は2階にあるから、聞こえなさそうだなって思ったんだけど…。」
 私がそう言うと、川雨くんがお礼を言ってくれた。
「うん!ええよ!ありがとう!」
「じゃあ、俺らが和室で咲花ちゃんたちが咲花ちゃんの部屋のほうがいいよね!」
 流星くんがそういう。
「うん、どっちでもいいよ…?」
 "いいよね"って、どういうことだろう…?どっちでもいいんだけど…。
「よし、じゃあ今からやろ〜!じゃあ男女分かれて、スタート!」
 そう光くんが言って、みんな急いで部屋を分かれる。
「恋バナね。久しぶりだわ。」
 部屋に着いて、美空ちゃんがそう言う。
「えっ、したことあるの…?」
 私はしたことがなかったから、驚いてそう聞いた。
「したことはあるわ。まあ、好きな人はいなかったけどね。桜は?」
 美空ちゃんはそう答えて、桜ちゃんに話をふる。
「うち?うちもしたことはあるわ。うちも、好きな人はいいひんかったけど。」
 美空ちゃんも桜ちゃんも、したことがあるの…!?じゃ、じゃあ、したことがないの、私だけ……?
「えっ、これって、何をすればいいの…?」
「ただ、好きな人を話すだけよ。いたら盛り上がるけど、いなかったらあんまり盛り上がらないわね。まあ、そこまで盛り上がらなかったら、私たちの場合は、推しの話をすればいいのよ。」
 美空ちゃんが、そう教えてくれる。
「そうなんだ…!」
「それで!咲花ちゃんと美空ちゃんは、好きな人、いるん?」
 急に聞かれて、ドキッとする。
 私…好きな人…、いるのかな…?まず、好きっていう感情が、どういうものなのか、わからない…。推しに対しての気持ちは、恋なのかな…?恋じゃない、別の気持ちなのかな…?
「うーん。恋ではないかもしれないけど、推しみたいなものはできたわよ。3次元の。光くんね。」
 美空ちゃんはそう答える。
 やっぱり、恋と推しに対しての気持ちは違うのかな…?
「うちも、推しっぽいものはできた!川雨くん!同じ関西弁やしな!」
 2人とも、推し(?)ができたんだ…。
「咲花(ちゃん)は!?」
 美空ちゃんと桜ちゃんが、目をキラキラさせながら聞いてくる。
「えぇ…、まず、恋っていう気持ちが、わからないなぁ…。」
「えー、流星くんとかはどうなん?」
 2人は、さらに聞いてきた。
「うーん…。まあ、確かに少しドキッとするときはあるけど…、あとはないかなぁ…。」
 恋って、難しいっ…。
「そうなんや〜。まあ、咲花ちゃんは推し1筋だもんな!」
「でも、ドキッとはしたりするのね。」
 美空ちゃんは、興味があるような顔で、そう言う。
「男子たちは、誰が好きなんやろな〜!」
 不意に、桜ちゃんがワクワクしたような表情で言う。
「二人は気にならへん!?」
 美空ちゃんは、少し考えて、答えた。
「そうね。気になるわ。」
「私は…、少しだけ…。」
 私も、美空ちゃんに続けて答える。
 …たしかに、みんな、誰が好きなのか、少し気になるかも。
「じゃあ、あと私たちは、推しの話をしましょう。」
「うん、そうだね…!」 「そうやな〜!」
 美空ちゃんに、私たちはそう返事をした。