完璧ということは、人間らしさがないと言っているようなものだ。
(そんなの聖人じゃない)
だからこそ、玲桜は羨望され、妄信された。
アンニュイな美男子だった人は、四年の間に色気漂う魅惑的な大人の男になっていた。こちらを射貫くモルフォ蝶色の瞳の、なんと蠱惑的なことか。
「へぇ、SNSもやってるんだ。昔の玲桜からは想像できない」
プライベートを晒すのを嫌がっていた人が、今は積極的に日常を公開していた。変われば変わるものだ。
「鳳グループか」
銀行から商社、重工業を傘下に持つ日本の大企業だ。玲桜はそこの御曹司だった。
今思えば、百花みたいな庶民と一時期秘密の同居していたなんて、漫画の世界みたいじゃないか。
どうして私を抱いたの? なんて、尋ねることもないだろうが、もし会う機会があったら、そのとき自分は彼にどんな言葉をかけるのだろう。
(恨み言? それとも――)
どれもしっくりこないのは、玲桜が百花の中で過去の人になりつつあるからだろうか。
(そんな機会もないだろうけど)
例え、会ったとしても百花は他人の振りをするだろう。
(今の平穏が愛おしいの)
決して暮らしぶりに余裕があるわけではない。贅沢はできないし、時間もない。時々全部投げ出したくなるほど自暴自棄になってみたい気持ちにもなる。
それでも、百花は花の存在が嬉しかった。
欠伸をしながら記事を流し読みしていると、ふと「結婚」という単語を見つけた。
――レオさんの結婚についての考えをお聞かせください。
――私には、ずっと想い続けている人がいます。いずれその方と家族になりたいと思っています。
(そんなの聖人じゃない)
だからこそ、玲桜は羨望され、妄信された。
アンニュイな美男子だった人は、四年の間に色気漂う魅惑的な大人の男になっていた。こちらを射貫くモルフォ蝶色の瞳の、なんと蠱惑的なことか。
「へぇ、SNSもやってるんだ。昔の玲桜からは想像できない」
プライベートを晒すのを嫌がっていた人が、今は積極的に日常を公開していた。変われば変わるものだ。
「鳳グループか」
銀行から商社、重工業を傘下に持つ日本の大企業だ。玲桜はそこの御曹司だった。
今思えば、百花みたいな庶民と一時期秘密の同居していたなんて、漫画の世界みたいじゃないか。
どうして私を抱いたの? なんて、尋ねることもないだろうが、もし会う機会があったら、そのとき自分は彼にどんな言葉をかけるのだろう。
(恨み言? それとも――)
どれもしっくりこないのは、玲桜が百花の中で過去の人になりつつあるからだろうか。
(そんな機会もないだろうけど)
例え、会ったとしても百花は他人の振りをするだろう。
(今の平穏が愛おしいの)
決して暮らしぶりに余裕があるわけではない。贅沢はできないし、時間もない。時々全部投げ出したくなるほど自暴自棄になってみたい気持ちにもなる。
それでも、百花は花の存在が嬉しかった。
欠伸をしながら記事を流し読みしていると、ふと「結婚」という単語を見つけた。
――レオさんの結婚についての考えをお聞かせください。
――私には、ずっと想い続けている人がいます。いずれその方と家族になりたいと思っています。
