別れた二人



今日は私も葵くんも、アルバイトが休みで私の部屋で映画を観る約束をした。

私の大好きなフランス映画を、葵くんは一度も観た事がないらしくて、私はDVDを持ってるから一緒に観ようと誘った。

アイスティーをグラスに注いで、ポップコーンを用意して、キッチンからリビングに戻ると、葵くんは写真を観ていた。

私が一人暮らしする部屋の家具は、大学の入学祝いにお母さんが買ってくれた。

家具屋さんにカーテンをオーダーしに行ったり、楽しかった。


写真は写真立てに入れて、棚の上に飾っていた。

写真館で撮った家族写真と、彩ちゃんと高校の卒業旅行で行った、温泉地で撮った写真だった。

「桜森さんは元気?」

「元気だよ。新しい友達が沢山出来て、雑貨屋さんでアルバイトしてる。」

トレーで運んで来て、テーブルに二つのグラスと、ポップコーンを盛ったお皿を置いた。


「寂しくないの?自分以外に親しい人が増えて。」

「寂しくはあるけど、彩ちゃんの一番は私だって分かってるから。」

私はDVDをデッキに入れて、リモコンを操作して映画を観る準備をした。