「真緒ちゃん。」
堂々と門の前で待ってる葵くんに、少しは目立たない努力をして欲しかった。
芸能人?モデル?とひそひそと囁かれる声に、私の気分は急降下。
「……。」
私の肩に慣れた仕草で、腕を回す葵くんはどうしたの?と、私の顔を覗き込んだ。
「葵くんは、今日も格好良いね。」
結婚してるとはいえ、まだ学生なので一緒には住んでなかった。
「ありがとう。褒められちゃった。」
葵くんからは、香水と煙草の香りがする。
……大人だなぁ。
二十歳だから、もう大人なんだけど。
私だけ何も変わってない気がした。
外見じゃなくて、中身の話。
子供のまま。何も、成長してない。



