雪が降る2月。


8歳の私、「雪」という名前を持つ子どもだ。

それは深々と振り積もる雪が、窓の外から雪が張り付いて雫になる様子を目で追っていた矢先。


「はい。

もうしめましょうねー。

夜も近いし」


と、お母さんの布団に寝くるまっていた私の隣にお母さんがやってきて。


カーテンをピシャリと閉めたら、真っ暗になったからオレンジ色したライトに手を伸ばす、お母さん。


「ねぇ、ねぇ、お母さん……。


どうして私の「お父さん」は姿を現さないの?」


今日のこの日は、お父さんが旅立った日だと毎日聞かされていて。


いつ帰ってくるのかなと思っていたけれど、帰ってくる気配がないから訪ねた。



するとお母さんは笑って。



「お父さんは空へ、旅立ったのよ……」



その言葉を聞いて、やっとーー亡くなったのだと気づいた。


「ごめんなさい……」



「うんん、謝ることはないわ。


人は誰でも、亡くなってしまうものだから……」


と、初めてそこで「命日っていうの。こういう人が亡くなった日はね」と教えられて。



私は、お母さんの裾をぎゅっと握りしめて、神様に誓った。



愛おしい、お母さんをもいつか奪ってしまう、この短命な命を地上に永遠に閉じ込めてほしいって。


フタの開いた牛乳瓶を必死につかんで、ゆっくり優しく運ぶような手つきでお母さんの背中を擦った。

そして私は眠りについた。


優しいお母さんの温もりに、包まれながら。


この永遠の温もりがないということに気が付くのが、早かったならば。