「澪?」 「はい?」 「何笑ってるの」 「……秘密です」 「そう」 小海は深く追及しなかった。 ただ、澪の隣で新しいメロディーを作り始める。 窓の外には、春の光が差し込んでいた。 澪はマイクの前に座る。 ヘッドホンをつける。 そして、ゆっくりと息を吸った。 歌う。 自分の声が、部屋いっぱいに響く。 小海はその歌声を静かに聴いていた。 初めて聴いたときから、ずっと変わらない。 柔らかくて。 少し不器用で。