「……疲れた」
自宅の椅子に腰を下ろした小海は、眼鏡を外して目元を軽く押さえた。
そのとき、仕事用のスマートフォンが鳴った。
所属している音楽制作会社からの連絡だった。
『今岡さん、少し相談があります』
「……嫌な予感しかしない」
電話に出る。
スタッフから聞かされたのは、新しいコラボレーション企画についてだった。
「歌い手?」
『はい。最近かなり伸びている子がいて』
「別の人に頼めば」
『今岡さんと組ませたいんです』
「断ります」
『まだ名前も言ってませんけど』
「だいたい分かります」
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