家に帰って制服から部屋着へ着替えると、澪は机の前に座った。
パソコンを開き、昨日の夜から何度も録り直していた歌のデータを確認する。
再生ボタンを押す。
自分の声が、部屋の中に流れた。
「…………」
何度聴いても、恥ずかしい。
それでも、歌っているときの自分は嫌いじゃなかった。
むしろ、普段の自分より少しだけ素直になれる気がする。
澪は再生を止め、動画投稿サイトの画面を開いた。
タイトルを入力し、説明文を書いて、サムネイルを設定する。
そして最後に、投稿ボタンの前で指が止まった。
「……どうしよう」
ここまで来たのに、急に怖くなってしまう。
誰にも聴かれなかったらどうしよう。
変だと思われたらどうしよう。
学校の誰かに見つかったら、恥ずかしくて明日から顔を合わせられないかもしれない。
いろいろな不安が頭の中を駆け巡る。
それでも。
