君の歌声に恋をした。天才作曲家と無自覚天然少女。


澪は一人で電車に乗りながら、自分の胸元を押さえていた。



さっき、肩が近かった。


ただ、それだけ。


それだけなのに。




どうしてこんなに胸がどきどきするのだろう。



「……変なの」


澪は窓に映る自分の顔を見て、小さく首を傾げた。


このときの澪はまだ。


その感情に名前をつけることができなかった。