その言葉を口にしただけで、なんだか本当に新しい生活が始まるような気がした。
高校生になったら、やってみたいことが一つだけあった。
歌ってみた動画を投稿すること。
澪は昔から歌うことが好きだった。
家で一人になれば自然と鼻歌を歌っているし、好きな曲を聴けば何度も繰り返し聴いて、気がつけば歌詞を覚えている。
けれど、人前で歌うのはどうしても恥ずかしかった。
友達の前ですら、少し褒められただけで顔が熱くなってしまう。
だからこれまでは、自分の歌を誰かに聴かせるなんて考えたこともなかった。
それでも、高校生になった今なら。
「……やってみても、いいよね」
誰に許可を取るわけでもなく、澪は小さく呟いた。
それから学校へ向かい、入学式を終え、新しいクラスで何人かの友達と話しているうちに一日が終わった。
