「どうぞ」 低く落ち着いた声が聞こえた。 「失礼します……」 ドアを開ける。 部屋の中には、一人の青年が座っていた。 黒髪。 細いフレームの眼鏡。 机の上にはノートパソコンといくつかの楽譜。 澪が入ってくると、青年は顔を上げた。 視線が合う。 澪は緊張して、思わず背筋を伸ばした。