栞と汐留くんが行ってしまうと、私と谷口くんも、ゆっくりと歩きだした。
「びっくりしたー。谷口くん、急に夏祭り行きたいって言いだすんだもん」
「ははっ」
谷口くんは楽しそうに笑った。
ちなみに私たちが一緒にいたのは、ただの偶然。
夏祭りのポスターも、たまたま目に留まっただけだった。
もちろん、そのとき谷口くんは、夏祭りに行きたいなんて言ってなかった。
汐留くんたちを誘おうと話を持ち出したのは、明らかだった。
それに私もつい、乗っかってしまったんだけど。
「というか、二人のこと見守るんじゃなかったの?」
私が言うと、谷口くんは軽くうなずく。
「うん。俺はただ夏祭りの話をしただけだよ。
さっき話を邪魔したお詫びってことで。あとはまあ、二人次第かな」
「そう‥‥‥」
私はうつむいた。
少し都合がいい気もしたけど、言っていることは間違っていない気がした。
……汐留くん、思ったより乗り気だったし。
私は谷口くんみたいに、うまく立ち回れないから、少し羨ましかった。
谷口くんは横目でちらりと私を見た。
