私に気づいた谷口くんが目を丸くする。
汐留くんの背中に隠れて、私のことが見えていなかったみたいだった。
「あ!栞もいたんだ!図書委員終わったの?」
「うん」
と、私は頷いた。
谷口くんが、なぜか気まずそうな表情で汐留くんを見ている。
なんだろう?
だけどすぐに、谷口くんはぱっと表情を輝かせた。
「そういえば、さっきまで佐々木さんとこれを見てたんだ」
そう言って、少し歩き出した。
私も汐留くんも、なんとなくつられて歩く。
そして、谷口くんは壁に貼られた一枚のポスターを指差した。
『宿場神社夏祭り』
の大きな文字が目を引いた。
その背景には、夜空いっぱいに打ち上がる花火の写真があった。
「夏祭り‥‥‥」
私がつぶやく。
「そうそう。学校近くの神社で毎年やってる夏祭り。最後に花火も上がるんだ。
考査のあと、行けたらいいなって思ってたんだ」
谷口くんはポスターを見ながら言った。
谷口くんの隣にいた佳奈は、一瞬、谷口くんを見て目を丸くした。けれど、すぐに満面の笑みを浮かべた。
「去年も行ったけど楽しかったよ。今年も行きたいな」
「おっ、じゃあ行くか」
と、谷口くんが言った。
「いいね!」
--二人で行くのかな?仲良いんだなー。
けれど、佳奈は私のほうを見て言った。
