武田さんは期待を込めた目で私を見る。
一方、里村さんの視線は若干冷ややかだ。
私は二人の視線に緊張しながらも、尋ねた。
「え、えっと、二人はどんなテーマがいいの?」
武田さんは、前のめりになって答えた。
「私は文化とか言語かな!」
「AIと社会」
ぶっきらぼうに答える里村さん。
武田さんが笑って言う。
「あと、読みやすいやつ!」
「ページ数少なめで」
と、里村さんも続ける。
よかった。一応テーマは絞れそう。
私は頷き、それから里村さんから本のリストを借りた。
パソコンで蔵書検索のページを開き、条件に合いそうな本を探す。
見つけた本の請求記号をメモ用紙に控えた。
そのメモを持って、二人を書棚へ案内した。
「えっと、『AIと私たちの暮らし』は……」
私はメモに書いた請求記号を確認しながら、書棚を探していく。
里村さんもメモを覗き込み、
「これね」
と、書棚から本を手に取る。
汐留くんも、
「西本さん、ここにもあったよ」
と、リストにある別の本を差し出しす。
「ありがとう」
みんなで本を探しながら、私は里村さんたちにそれぞれの本を紹介していった。
「よ、読みやすい本なら、このあたりかな」
「こっちは、身近な文化を題材にしていて‥‥‥。ページ数も多くないよ」
「この本は、AIについて書かれているけど、難しい言葉はあまり使われてないと思う」
さすがに全部読んでいるわけではないけれど、何冊かはパラパラと目を通していたので、それぞれの特徴はなんとなく分かっていた。
