「ーーそれで、谷口くんが佳奈に持ってきた差し入れが、タカリスっていうスポーツドリンクで、私と由梨も全く同じもの持っていったから、笑っちゃって」
汐留くんと図書室へ向かう途中、佳奈の試合を思い出した私は、歩きながら汐留くんに話をした。
「タカリスはいいよな、俺もよく持って行く」
「うん。佳奈も何本あってもいいって。でも、本当に飲みきってしまったんだ。三本も」
「……すごいな」
私と汐留くんはこんなふうに、他愛のない話をするようになった。
たぶん、ハイキングが終わったあたりから、少しずつ。
部活や本の話もするけれど、今日の授業のことや、今日食べたもの、家族のちょっとした話なんかも多かった。
汐留くんと図書当番をした最初の頃は、図書室に行くまでの道がとても長く感じたけれど、最近はあっという間に着いてしまう。
男子が苦手な私でも……
やっぱり汐留くんは少し例外なのかもしれない。
今日も気づけば、図書室の前まで来てしまった。
さっき渡り廊下を歩いていたときは、人がちらほらいたのに、今、廊下には誰もいなかった。
