図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜



お互い察したように頷き合い、私たちは汐留くんについていった。



由梨だけは「えっ、えっ」と、頭に疑問符が湧いていたけれど、一緒に来てくれた。



しばらくして、私たちは体育館の陰に身を隠した。



国枝くんと栞は、体育館裏で何か話している。



「ねぇ、心配なのは分かるけど……やっぱり盗み聞きはよくないんじゃない?」


と、由梨が声を落として言う。



「大丈夫。ほとんど聞こえないから、盗み聞きじゃないって〜。『見守り』よ」



「そうだけど……」



由梨が私の隣を見る。



「でも……どうして、谷口くんと汐留くんもいるの?」



「いやー、こんなおもし……じゃなくて、俺たちも西本さんが心配だからさ。な? 朔」


谷口くんは汐留くんに視線を向ける。



谷口くん、汐留くんの反応を面白がってるな……。



だけど、汐留くんは無言のまま、栞たちをじっと見つめていた。


……やっぱり汐留くんも栞のこと心配なのかな。



一人だけ、片足前に出ているし。



今にも飛び出しそうだ。



私は、栞たちに視線を戻した。



国枝くんは、少し深刻そうな顔をしていた。



栞は背中を向けているので、表情が見えない。



正直、由梨には「見守り」って言ったけど、やっぱり会話の内容も気になるなー。



ぼそぼそとした声しか聞こえないのが残念だ。



――告白だったりして?


でも、汐留くんも栞のこと好きっぽいし……もしや三角関係になる?



それはおもし……じゃなくて、栞は困るよね。



わー、でも気になるな。



すっごく気になるー。



◇



私と向かい合って立っている国枝くんは、少し視線を落として黙っていた。



しばらくして、顔を上げると、私をまっすぐに見た。



「あのさ、西本さん。俺……」