私は体育館の隅で、国枝くんを待つことにした。
由梨と佳奈も付き合ってくれている。
コートでは、部員たちが休憩を取ったり、他校の部員同士で談笑したりしていた。
試合が終わってほっとしたのか、みんな先ほどとは違って、穏やかな顔つきになっている。
汐留くんや谷口くんは、さっきまで応援していた女子や男子たちに囲まれている。
汐留くんたちを囲んでいる女子の中には、浅井さんたちのグループや、田中さんや伊藤さんのグループもいた。
男子の中には、武田くんや原くん、それから同じクラスメイトの深山くんも応援に駆けつけていた。
国枝くんは、南高のキャプテンやコーチと何か話をしている。
「国枝くん、だっけ? 何の用か、心当たりないの?」
佳奈に聞かれて、私は首を捻る。
「全然わかんないなー。私、何かしたかな」
「仲良かったの?」
今度は由梨に聞かれる。
私は首を横に振る。
「ううん。同じクラスだったけど、あまり話さなかったと思う」
「そっか〜」
「それにしてもさー」
と、佳奈がコートを見ながら言う。
「さっきのあれ、すごかったよね。栞を見つけたら、すぐ飛んできたもんね」
「私も……びっくりした」
注目されて恥ずかしかったし……。
「でも、結構かっこいい感じだよね。元気で爽やか」
由梨はふふっと笑う。
「確かに! バスケも上手だった。女子が何人か応援してたよね」
と、佳奈も笑って言った。
私は苦笑する。
「国枝くんは、モテてたよ。クラスでも目立ってた」
「あー、そんな気がする。汐留くんや谷口くんとは、また違う感じ?」
