そして第四クォーター。
東高の選手がシュートを放つ。
けれど、リングに当たって跳ね返ってしまった。
惜しい、と思ったら汐留くんがジャンプして、そのままボールをリングに入れた。
また歓声が上がる。
す、すごい。
汐留くん……かっこいいな……。
◇
試合はかなりの接戦だった。
ここまで52対51で、東高がわずかにリードしている。
試合終了まで、あと数分。
けれど、南高選手がシュートを決めた。
――あ、ついに追い抜かれてしまった。
スコアボードが、52対53になる。
周りにいる観客から落胆の声が上がる。
「まだ最後まで分からないよ!」
と、佳奈が励ますように言った。
私と由梨が頷く。
あと数十秒。
ボールを目で追っていく。
南高チームがパスをする。
そのボールが国枝くんに渡る手前で、汐留くんが奪った。
歓声が上がる。
汐留くんが駆け出した。
緊張が高まる。
背中に汗が伝う。
観客席から、汐留くんを呼ぶ声がたくさん聞こえる。
佳奈や由梨も、声を張り上げて応援している。
私は、こちらに向かってくる汐留くんを見つめる。
汐留くんは汗を流し、少し息を切らしていた。
いつもと変わらない表情なのに、とても真剣だった。
私はふと、ここ数日の汐留くんを思い返す。
練習で疲れて、教室で寝てしまった汐留くん。
スポーツが好きだと言っていた汐留くん。
バスケの本を、少し楽しそうに選んでくれた汐留くん。
そして、私は自分が汐留くんにかけた言葉を思い出した。
――「応援するね」
