ボールは相手チームの国枝くんに渡り、国枝くんがコートの外からボールを投げ入れる。
「あれ、なんで相手のボールになったの?」
由梨が聞く。
佳奈が「え、えーと」と首を捻る。
私はためらいがちに口を開いた。
「たぶんだけど……うちのチームがボールを持ったまま、サイドラインを踏んじゃったからかな」
「へー」
と、佳奈と由梨が感心する。
「しーちゃん詳しいんだね」
「あ、でも、違うかも。少し本で読んだだけだし」
と、慌てて付け加えた。
私はそっと二人の様子を伺う。
ーー佳奈たちも、田中さんみたいに変なふうに受け取ったらどうしよう。
けれど、二人はただ感心したように頷くだけだった。
少しかじった程度の知識なのに、知ったかぶりしたみたいで、ちょっと恥ずかしい。
でも、やっぱり少し分かると楽しいな。
汐留くんに本をすすめてもらってよかった。
ボールは、再び国枝くんの手に戻る。
汐留くんが国枝くんをガードしようとする。
国枝くんも手でボールをガードしながら、汐留くんを避け、素早くシュートを決めた。
相手チームに点数が入った。
ーー国枝くんも、上手……。
◇
