やってしまったかも……。
私は今、図書室の書棚の前に立って、ため息をついている。
手には『バスケットボールの基本』。
あのあと。
教室を出た私は、そのまま図書室へ向かった。
図書室の利用者は二人だけだった。
それと、名前も知らない男子の図書委員が、カウンターで退屈そうに雑誌をめくっていた。
私はカウンターで返却を済ませ、二冊の本を戻してから、スポーツの本が置いてある書棚へ向かった。
ずらりと並んだ本の背表紙を眺める。
本を戻すつもりだったのに、いつの間にかさっきの出来事を思い返していた。
あんなこと言って、せっかく汐留くんが庇ってくれたのに、また田中さんにアピってるって思われないかな。
田中さんだって、半分冗談のつもりで言ったのかもしれない。
他にも人いたし、明日から変な噂が立たないかな。
私は手元にあるバスケの本に視線を落とした。
汐留くんは--。
私の話……どう思ったのかな。
そんなことをぐるぐる考えていると--。
