図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜

今日は図書当番ではないけど、借りた本を返したいので、図書室に行こうと思った。



カバンに教科書などを入れていく。



--あっ。図書室の本が入らないな。



仕方ない。手で持っていこう。



今日返すのは、三冊。



あまり人に見られたくない本を真ん中にして、両手で抱える。



教室に出ようとしたとき、汐留くんが男子や女子に囲まれているのが見えた。



--汐留くん、今日は部活ないのかな。



話し声が耳に入ってくる。



武田くんがスマホを見せながら、汐留くんに話しかけた。







「原がこのゲーム良いって言ってたんだけど、汐留、知ってる?」



「いや」



汐留くんがスマホを見て、答える。



「まじか。知らないのかよ」



原くんが少しわざとらしく驚く。



汐留くんが頷いた。



「しゃあねえ、俺がレクチャーしよう」



「えっ、何?なんのゲーム?」



女子の伊藤さんが、話しかけた。



私は汐留くんたちの集団の近くを通ろうとした。




すると、



「汐留ー!」



と、元気な女子の声がした。



見ると、横から田中さんが早足でやってくる。




田中さんは汐留くんを見ていて、私がすぐそばにいることに気づいてないようだった。



とっさに避けようとした。



だけど--。



ドンッ。



田中さんとぶつかる。



そのはずみで、持っていた本を全部落としてしまった。



バサっと音がする。