次の日。
佳奈と由梨と中庭のベンチで、お弁当を食べているとき--
私はおずおずと、二人に話を切り出した。
「私、今度のバスケ部の試合……観に行こうかなと思っているんだ」
すると、佳奈と由梨が一斉に私を見る。
佳奈は、少し面食らった様子で言った。
「えっ、どうしたの?急に」
「しーちゃん、そういうの興味ないのかと思ってた〜」
由梨も不思議そうな顔をする。
「うん。そうなんだけど……」
少しためらってから言った。
「昨日、汐留くんとその話になって。興味が出ちゃって」
佳奈が目を輝かせた。
「えっそうなの?いいじゃん!ちょうど誘おうと思ったんだよね」
「そうなの?」
「そうそう!」
と、佳奈がにこっと笑った。
「楽しみだね〜」
由梨がいつものふんわりした口調で言った。
楽しみ--。
「うん」
と、私は頷いた。
「ねえ、汐留くんや谷口くんのうちわとか作っちゃう?」
と、佳奈が冗談めかしで言った。
「うちわ……」
私はつぶやいた。
由梨が笑った。
「谷口くんなら喜ぶかもしれないね」
「汐留くんは微妙かな」
佳奈が言いながら首を傾げる。
私は少し想像してみた。
三人で「汐留くん、がんばって!」と書かれたキラキラのうちわを持っている。
それを見て、汐留くんが少し目をぱちくりさせる。
あっ、でも汐留くんなら、ちらっと見て素通りするかな。
私は、ふふっと笑った。
「あっ、しーちゃん、笑ってる」
由梨が私を見て微笑んだ。
「うん。ちょっと面白いなって」
「ふふっ。そう?」
私は頷いた。
なんだか、本当に楽しみになってきたな。
◇
また次の日の放課後。
教室の自分の席。
