図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜




汐留くんが続ける。




「それに、スポーツは見ているだけでも楽しい」




「そうなんだ。スポーツ観戦もしたことないな」




体育や球技大会くらいかな。





スポーツ小説は好きだけど。




前に読んだバスケ部の話、良かったな。ルールはよく分からないけど、楽しめた。




ふと、思い出す。




「そういえば、由梨や佳奈が今度のバスケ部の合同試合、観に行きたいって言ってたなー」




私が何気なく言うと、汐留くんがぴたっと立ち止まった。



そして、こちらを見る。



「西本さんは観に来るの?」




「え?」




考えたことなかった。



スポーツが苦手な私が観てもいいものかどうか、分からなかったから。




「私は……」




「来て」



えっ。




汐留くんの顔を見上げる。




こんなふうに、汐留くんから強く言われるのは初めてだった。



まっすぐ私を見る表情に、少しドキドキした。




「私--行ってもいいのかな」




「うん。来て」




汐留くんが静かに言った。



--行きたいな。




私はこくりと頷いた。




「お、応援するね」




「ありがとう」



汐留くんが微笑んだ。







この日の図書当番は、特にやることがなかった。



汐留くんに、


「またおすすめ教えて」


と言われたので、私は本を選んで渡した。



私と汐留くんは、カウンターで並んで、静かに本を読んだ。