図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜

汐留くんが「うっ……」と声を漏らす。




私も自分が叩かれたわけではないのに、肩がぴくっと上がってしまった。



目を覚ました汐留くんが谷口くんを睨むと、谷口くんはちょんちょんと私のほうを指さした。




汐留くんが視線を動かす。




目が合う。

汐留くんは、はっとしたようき立ち上がった。



「ごめん、西本さん。行こう」




「う、うん」




汐留くんが支度をして、二人で教室を出た。




ふと振り返ると、谷口くんはくすくすと笑っていた。







教室から出ても、汐留くんはとても眠そうだった。




「汐留くん、大丈夫?」




心配して聞くと、汐留くんがこちらを見た。




「うん。もうすぐバスケ部の合同試合あるから。他の部活も似たような試合あるし」




「他にはどの部活に行ってるの?」




私が聞くと、汐留くんが少し考えるように言う。



「サッカー部と野球部にも行ってるけど、今はバスケが多い」




「す、すごいね……」




素直に感心する。



そういえば--。私は汐留くんが肩にかけているカバンを見る。汐留くん、いつもスポーツバッグ持っているよね。




汐留くんは微笑んだ。



「スポーツは好きなんだ」




本当に好きなんだなー。




私もつられて微笑む。




「私はスポーツ全般苦手だから、羨ましいな」




運動はしないといけないなとは思っているけど。




汐留くんが言った。




「スポーツは、上手くなろうとしなくていい。体を動かして、楽しめたらいいと思っている」




「そっかー」




意外……。




汐留くんみたいに、スポーツが好きな人は「うまくならないといけない」と考えているのかと思った。



でも、確かにたまに体を動かすと気分もスッキリするよね。




そんな感じで、気楽に考えればいいのかな。