図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜

みんなのおかげで、なんとか転ぶことなく下山できた。




やっぱり私も、何か運動やスポーツをした方がいいのか
な。




これほど自分の運動不足を猛省した日はなかった。




汐留くんが読み終え、席に着く。




「じゃあ次、西本」




--あっ。呼ばれてしまった。




「は、はい」




反射的に返事をし、立ち上がる。




「し、静かな声がして、振り向くと--」




汐留くんとは違って、少し上ずった声が自分の口から出る。



音読とはいえ、人前で話すのは本当に苦手。




やっと読み終えて、着席する。




--私って、苦手なこと多いな。




少しため息をついた。




席に着いてしばらくすると、汐留くんの体が少し揺れ始めたのが見えた。



横顔を見ると、目を閉じていた。




--船を漕いでいる?




そして--。




汐留くんは、音を立てることなく机に突っ伏してしまった。




規則正しく背中が上下に動いている。




あれ、寝ちゃった……?







放課後。




私は今ちょっとだけーー困っている。




今日は図書当番の日。



しかし、汐留くんが現代文の授業で寝てしまってから、まだ起きない。




「あはは。汐留、寝てるね」


「珍しいな」



と、授業後、クラスメイトたちが話しているのを聞いたけど、みんな気を遣ってか、誰も起こそうとはしなかった。



--どうしよう。




起こすのも悪いし……。




一人で行こうかな。



でもなんで起こさなかったの?って聞かれたら何て答えよう。




迷っていると、谷口くんが汐留くんの後ろからやってきた。



谷口くんは、汐留くんの近くまで行くと、私と目を合わせて、片目をつぶった。




ウィンク? 




反応に困っていると、谷口くんが教科書を丸めて、眠っている汐留くんの背中をたたいた。



--あっ……。