しかも、かなり穏やかな顔で。
ときどき、微笑んだりもしてる。
汐留くんも、こんな顔するんだー。
私とはずっと仏頂面だったのに!
もしかして――。
いやー、さすがに決めつけすぎかな。
あー、気になる、気になる。
栞も、なんか楽しそうだし。
暗い空に響く雨音と、二人の静かな佇まい。
その光景があまりにも雰囲気たっぷりで、見入ってしまいそうになった。
「佐々木さん」
隣から自分の名前を呼ばれた。
振り向くと、すぐ横に谷口くんの顔があった。
う、谷口くんもかっこいいな……。
「佐々木さん、朔のこと好きなの?」
「え?」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
でもすぐに、ときどき後ろを見ていたことがばれていたんのだと気づき、恥ずかしくなった。
「違うか……。そんな感じじゃないもんね」
私は小さく頷いた。
「じゃあ、あの二人のことが気になるの?」
ず、図星です……。
ああ、また私の恋愛もの好きのスイッチが入ってしまっていた。
私は、誰と誰がくっつくとか、そういう話がとにかく大好き。
少し諦めたように、私は口を開いた。
「汐留くん……さっき栞と谷口くんのこと、気にしてる感じだったし、今すごく穏やかな顔をしているから……栞のこと、気になってるのかなって思っちゃって」
「なるほどね」
すると、谷口くんは人差し指を立て、唇の前に持ってきた。
