私が一人でごみを拾っていると、佳奈が横に並んできた。
「ねえ、栞」
そして小声で聞いてくる。
「さっき、なんで谷口くんとくっついてたの?」
「え?見てたの?」
びっくりして佳奈を見る。
佳奈はニヤニヤしてこちらを見ていた。
佳奈の、少女漫画好きのスイッチが入ったみたい。
私は慌てて、でも佳奈よりもさらに小さな声で、さっきの経緯を話した。
すると佳奈が少しつまらなさそうに、
「なんだ、てっきり2人はそういう関係かと思った」
「そんなわけないよ!」
と、小声だけどはっきり言う。
「ちぇー」
佳奈は唇をとがらせる。
もちろん、佳奈は冗談で言っているのだ。
そんなやりとりをしながらゴミ拾いをしているうちに、急に空から水滴が落ちてきた。
ポツ、ポツ。
雨が小さく降り始め、やがてザーザーと強くなる。
「え、やばい!」
佳奈が叫ぶ。
「げ!急に降ってきたな」
と谷口くんが頭を押さえた。
私たちが慌てていると、少し先にいた汐留くんが小走りで戻ってきた。
「あっちに雨宿りできる所ある」
と、茂みの向こう側を指して言った。
「お、良かった。急ごう」
谷口くんに続いて、私も佳奈も慌ててついて行く。
