「なんか、いいね!こういうの」
佳奈は本当に楽しそうだ。
対して由梨は少し憂鬱そうだった。
「ゴミ拾い嫌だな……。普通のハイキングが良かった。
山でお弁当を食べるとかなら、楽しそうなのに」
緑の山を見上げながら、由梨は少し唇を尖らした。
「それは、ただの遠足じゃん」
佳奈が笑った。
「そういうのがいいのよ」
と、由梨が真面目な顔をした。
「栞は?」
「私は……ペアが気になる……」
「誰と当たるかってこと?」
「うん。特に男子と当たったらどうしよう」
「しーちゃん、男子苦手だもんね」
私は小さく頷いた。
「例外はいないわけ?」
佳奈がニヤッと笑う。
「えっ……。例外?い、いないよ!」
私は首を横にふる。
「ふーん」
と意味ありげに佳奈が視線を向けてくる。
由梨は横でにこにこ笑ってる。
例外か--。
……で、でも、確かに--。
私は前の方をちらりと見た。
汐留くんが涼しい顔で歩いている。
男子でも汐留くんなら、足が遅くても待ってくれそう……。
って、何考えてるんだ私は。
そのとき、田中さんが汐留くんに声をかけるのが見えた。
「汐留!今私とペアになりたいって、思ってるでしょ」
汐留くんは田中さんの顔を見ることなく、すかさず答えた。
「思ってない」
「えー、ひどーい」
それでも田中さんは楽しそうに笑っている。
「じゃあさ、俺は?俺と組みたいだろ?」
男子の原くんが、自分を指す。
汐留くんはまた
「思ってない」
ときっぱり答えた。
原くんが
「だよなー」
と、ケラケラ笑った。
「お前ら、汐留で遊ぶなよ」
男子の武田くんが呆れるように言った。
汐留くんとペアになりたい人は、男女問わずたくさんいるんだなー。
◇
山の麓に入り、少し登ったところで、学級委員の二人が前に出た。
男子の学級委員は三枝くん、女子は北橋さん。
