図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜



「なんか、いいね!こういうの」



佳奈は本当に楽しそうだ。



対して由梨は少し憂鬱そうだった。



「ゴミ拾い嫌だな……。普通のハイキングが良かった。


山でお弁当を食べるとかなら、楽しそうなのに」



緑の山を見上げながら、由梨は少し唇を尖らした。




「それは、ただの遠足じゃん」

佳奈が笑った。



「そういうのがいいのよ」

と、由梨が真面目な顔をした。



「栞は?」




「私は……ペアが気になる……」



「誰と当たるかってこと?」



「うん。特に男子と当たったらどうしよう」



「しーちゃん、男子苦手だもんね」



私は小さく頷いた。



「例外はいないわけ?」

佳奈がニヤッと笑う。



「えっ……。例外?い、いないよ!」

私は首を横にふる。



「ふーん」
と意味ありげに佳奈が視線を向けてくる。



由梨は横でにこにこ笑ってる。



例外か--。



……で、でも、確かに--。


私は前の方をちらりと見た。



汐留くんが涼しい顔で歩いている。



男子でも汐留くんなら、足が遅くても待ってくれそう……。



って、何考えてるんだ私は。




そのとき、田中さんが汐留くんに声をかけるのが見えた。



「汐留!今私とペアになりたいって、思ってるでしょ」



汐留くんは田中さんの顔を見ることなく、すかさず答えた。



「思ってない」



「えー、ひどーい」



それでも田中さんは楽しそうに笑っている。



「じゃあさ、俺は?俺と組みたいだろ?」



男子の原くんが、自分を指す。



汐留くんはまた


「思ってない」
ときっぱり答えた。




原くんが
「だよなー」
と、ケラケラ笑った。



「お前ら、汐留で遊ぶなよ」

男子の武田くんが呆れるように言った。



汐留くんとペアになりたい人は、男女問わずたくさんいるんだなー。






山の麓に入り、少し登ったところで、学級委員の二人が前に出た。




男子の学級委員は三枝くん、女子は北橋さん。