夕方、自室。
私はさっそく、汐留くんにおすすめする本を考え始めた。
図書室にある本のほうが紹介しやすいし、そのまま借りてもらうこともできるかも。
あれもいい、これもいい。
思い浮かぶ本を、メモ用紙に何冊か書き出してみた。
汐留くんは、励ましてくれる本がいいと言った。
何か悩んでいることがあるのかな。
それとも、ただ少し気分を明るくしたいだけかな。
物語や言葉に触れることで、背中を押されたり、逆に立ち止まる勇気を与えてくれることがある。
今の汐留くんに響く本を、見つけられたらいいな。
少し考えて、
「これにしよう」
タイトルの横に丸をつけた。
◇
次の図書当番の日。
私と汐留くんは教室を出て、一緒に図書室へ向かっていた。
「汐留くん」
私は汐留くんに声をかけた。
「これ、良かったら。図書室の本なの」
私は本のタイトルを書いたメモ用紙を、汐留くんに渡した。
結局、教室で渡す勇気がなくて、図書当番の日まで待ってもらっちゃった。
「『雨宿りの間に』」
汐留くんが、メモ用紙に書いてあるタイトルを読み上げる。
「前に落ち込んだとき、図書室でこの本を借りて、励まされたことあって」
汐留くんがメモ用紙に目を落としたまま、頷いた。
「ありがとう。これ借りてみるよ」
「う、うん。あ、あのー」
私は、ずっと疑問に思っていたことを口にした。
「どうして、私に本をすすめてほしかったの?
汐留くんも本が好きなの?」
汐留くんは少し間を置いてから、首を振った。
「本は、苦手」
「え?」
じゃあどうして?
私はさっそく、汐留くんにおすすめする本を考え始めた。
図書室にある本のほうが紹介しやすいし、そのまま借りてもらうこともできるかも。
あれもいい、これもいい。
思い浮かぶ本を、メモ用紙に何冊か書き出してみた。
汐留くんは、励ましてくれる本がいいと言った。
何か悩んでいることがあるのかな。
それとも、ただ少し気分を明るくしたいだけかな。
物語や言葉に触れることで、背中を押されたり、逆に立ち止まる勇気を与えてくれることがある。
今の汐留くんに響く本を、見つけられたらいいな。
少し考えて、
「これにしよう」
タイトルの横に丸をつけた。
◇
次の図書当番の日。
私と汐留くんは教室を出て、一緒に図書室へ向かっていた。
「汐留くん」
私は汐留くんに声をかけた。
「これ、良かったら。図書室の本なの」
私は本のタイトルを書いたメモ用紙を、汐留くんに渡した。
結局、教室で渡す勇気がなくて、図書当番の日まで待ってもらっちゃった。
「『雨宿りの間に』」
汐留くんが、メモ用紙に書いてあるタイトルを読み上げる。
「前に落ち込んだとき、図書室でこの本を借りて、励まされたことあって」
汐留くんがメモ用紙に目を落としたまま、頷いた。
「ありがとう。これ借りてみるよ」
「う、うん。あ、あのー」
私は、ずっと疑問に思っていたことを口にした。
「どうして、私に本をすすめてほしかったの?
汐留くんも本が好きなの?」
汐留くんは少し間を置いてから、首を振った。
「本は、苦手」
「え?」
じゃあどうして?
