図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜



見つからない......。



二人で場所を移動しながら探すものの、なかなか見つからない。




スマホを見ると、もう20分以上は探している。




さすがに申し訳ない......。



私は汐留くんに近づく。




「あ、あのー、汐留くん。ありがとう。
もう十分探してくれたし。何か用事あるんじゃない?」



汐留くんは顔を上げる。



「俺は、大丈夫だから」
と短く言って、また茂みの中を探し始める。



本当に申し訳ないなぁ。



やっぱり、ずっと遠くへ行っちゃったのかな。



本当、私って……。



ふと、上を見る。




「あっ!」



「えっ」



私の声に、少し離れた場所にいた汐留くんが驚いたよう
に、こちらを見た。



「あ、あれ......」
私は上を指す。



木の葉の間に、青いものが引っかかっているのが見えた。




私の栞だ--。



間違いない。



栞のリボンが引っかかっているみたい。




よかった......。




とりあえず、安堵する。




高い位置にあるので、手を伸ばしても届きそうにない。



少し登れば届くかな。



でも、登れるかな......。




けれど私が歩き出すより先に、汐留くんは何も言わず、木に近づいていった。



枝に手を置き、木に足をかけ、軽やかによじ登っていく。



上までいったところで、身を乗り出し、手を伸ばす。



だけど、あと少しのところで手が届かない。




お、落ちませんように……。



私は祈るような気持ちで、汐留くんを見つめる。




汐留くんは少し体勢を変え、もう一度手を伸ばす。




あ、届きそう……。




汐留くんは、風に揺れている栞のリボンをひょいと指でつまみ、自分の方へ引き寄せた。



木の枝や葉が揺れ、葉が数枚、はらりと落ちてくる。




それから、枝から手を離し、すとんと地面に着地した。