図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜




「なにそれ、楽しそうじゃん!」


「楽しいよー」


やっぱりこの二人、気が合う気がするな。


「でも着付けって時間かかるよな」


谷口くんが何気なく言うと、汐留くんは


「……大変そうだ」


と、なぜかこちらを見てぽつりと呟いた。


あ、私、なんか変なところないかな……。


慌てて自分の姿を確認する。


「帯を結ぶのがちょっと難しかったかな」


由梨が少し首を傾けて言うと、佳奈も続けた。



「いろんな結び方あるから、どれにするか迷ったよね。あんまりこったものはできないし」


「そうそう」


由梨が頷いた。


……なんかみんな普段通りだなー。


私だけそわそわしている気がして、少し恥ずかしい。


みんなのやり取りをぼんやり眺めていると、ふいに、


「由梨!」


と呼ぶ声がした。
 

声がする方を見ると、背の高い男性がこちらへ小走りでやってくる。


「遅くなってごめんね」


男性が由梨に向かって言うと、由梨は微笑みながら首を横に振った。


「遅くなってないよ。時間どおり」


由梨は私たちの方を見た。


「堀田健斗くん。大学2年生です」


堀田さんは爽やかな感じのカッコいい男性で、黒縁の眼鏡がよく似合っていた。