自分で「かわいい」というのも変かなって思ったけど、素直な感想を口にした。
いつもより少しだけ可愛くなった自分‥‥‥
しかも友達二人がしてくれたんだから、嬉しくないはずがないよね。
「栞、髪型やメイクのことは考えてないんじゃないかなって」
ぎくっとする。
メイクはともかく、髪型のことはすっかり忘れていた。
由梨が小さい花飾りを二つ差し出した。
「これ、私の貸してあげるね。浴衣着たら飾ってね。しーちゃんの浴衣によく合うと思うよ」
小さな紫と白の花が一つずつ付いた、上品な花飾りだった。
「ありがとう‥‥‥二人ともありがとう」
私が笑うと、佳奈も由梨も嬉しそうに微笑んだ。
「しーちゃんの笑った顔、可愛いよねー」
「あ、わかる!普段控えめだからかな。キュンとしちゃうよね」
「え、そ、そうかな」
自分ではよく分からないけど、そう言われると嬉しいし、ちょっと照れくさいかも。
それから二人もそれぞれメイクとヘアセットを済ませ、一緒に着替えを始めた。
佳奈の浴衣は、白地に、黄色いひまわり。帯の色は淡いグレー。
明るい色合いが、元気な佳奈によく似合っていた。
由梨はピンク地に、白百合の花。帯も花に合わせて白色。
女の子らしくて可愛い由梨にぴったりだった。
私の浴衣は、紺地に白い紫陽花。帯は赤色。
落ち着いた雰囲気が気に入って選んだ一着。
「今日は私たち、浴衣三人娘だね」
佳奈がはしゃいで言った。
着付けを終えたところで、借りた花飾りを左右のお団子に一つずつつけた。
小さめの白と紫の花が、由梨の言うとおり、浴衣によく似合っていた。
鏡に映る自分は、いつもの自分と違っていて、なんだか気持ちがふわふわする。
けれど、今日会う汐留くんの姿が急に頭に浮かび、今度はどきどきしてきて、気持ちが忙しない。
