図書室の恋だより〜君とこの先もページをめくりたい〜

佳奈が私の手を取る。


「え、どうしたの?」


「しーちゃんはこっちね」


由梨が自分の椅子を引き、私を座らせる。


--え、え?


私はきょろきょろと首を左右に振る。


戸惑う私をよそに、由梨は机の上にあるポーチを開けた。


中には化粧道具がいくつか入っていた。


私は普段化粧をしないので、少し新鮮で、思わず見入ってしまう。


リップ‥‥‥くらいしか分からないな。


これはマスカラかな?



「今からしーちゃんに化粧します!
アレルギーとか大丈夫?」


「大丈夫だけど‥‥‥え、あの、どうして化粧?」


確かに佳奈と由梨はうっすら化粧をしていて、とてもよく似合ってる。


二人は出かけるときにたまにするので、違和感はない。
けど、自分が化粧するのは変じゃないかな‥‥‥。


「お化粧したらテンション上がるでしょ。

私は髪型担当ねー。妹たちにたくさんしてきから、心配しないで」


佳奈が言い、由梨も続ける。


「化粧も軽い感じにするから大丈夫よ」


「え、あ、あの‥‥‥」



由梨は私の顔に何かを塗り、佳奈はブラシで髪を整えていく。


何が何だか分からなかったけど、もう成り行きに任せるしかなかった。



しばらくして--


「はい、完成!」


由梨がにっこり微笑む。


「こっちもあと少し‥‥‥できた!可愛い!!」


「しーちゃん、可愛いね!」



佳奈と由梨の言葉に、机の上の鏡に映る自分をまじまじと見つめた。


そこに映っていたのは、いつもと違う自分だった。


肌は明るく整い、目元はくっきりしている。


まぶたにはうっすらとラメが入り、きらきらと輝いている。


頬はほんのり薄いピンク色に染まり、唇はそれより少し濃いピンク。


存在感はあるのに、決して派手ではない。



いつも下ろしている髪は、両側でゆるく三つ編みにして、耳の後ろあたりで小さなお団子にまとめられていた。



「うん。かわいい‥‥‥ありがとう」