「……ところで」
焚き火の向こうにいる少年へ、私はもう一度声をかけた。
「あなた、名前は?」
さっき手当してもらった指を見る。
綺麗に巻かれた布。
こんな小さな傷、放っておいても大丈夫だっただろうに、それでもわざわざ手当してくれた。
……見た目によらず、優しい人なのかもしれない。
「……シオン」
「え?」
「シオン・クロフォード」
淡々と名乗る。
「シオン……」
口の中で、その名前を転がしてみる。
なんだか、彼にぴったりだ。
静かで、少し冷たくて。でも、どこか綺麗な響き。
「……いい名前だね」
シオンがこちらを見る。
「よろしくね、シオン」
私が笑うと、彼はほんの少しだけ目を細めた。
「……お前は?」
「私?」
そういえば、まだ名乗っていなかった。
「アイリス・レイン」
「……アイリス」
小さく呟かれた自分の名前が、妙に耳に残った。
「うん。アイリス」
「……」
「どうしたの?」
「……別に」
シオンはそう言って視線を逸らした。
どうしたんだろう、変な人だな。
……まぁ、でも。
「シオンって、思ってたより優しいんだね」
「……は?」
「だって、こんな小さな怪我まで手当してくれたし」
「普通だろ」
「だから、普通じゃないよ」
私の言葉に、シオンは少し目を見開いた。
「私だったら、こんな面倒なこと絶対してあげないもん」
「お前……」
呆れたように見られる。
「……自分で言うなよ」
「ふふっ」
なんだか、少しだけ楽しくなってきた。
ルカがいなくなってから、こんなふうに誰かと普通に話したのは久しぶりだった。
……いけない。今はそんなことを考えている場合じゃない。
私はルカを探しているんだから。
「じゃあ、シオン。いろいろありがとう」
焚き火の向こうにいる少年へ、私はもう一度声をかけた。
「あなた、名前は?」
さっき手当してもらった指を見る。
綺麗に巻かれた布。
こんな小さな傷、放っておいても大丈夫だっただろうに、それでもわざわざ手当してくれた。
……見た目によらず、優しい人なのかもしれない。
「……シオン」
「え?」
「シオン・クロフォード」
淡々と名乗る。
「シオン……」
口の中で、その名前を転がしてみる。
なんだか、彼にぴったりだ。
静かで、少し冷たくて。でも、どこか綺麗な響き。
「……いい名前だね」
シオンがこちらを見る。
「よろしくね、シオン」
私が笑うと、彼はほんの少しだけ目を細めた。
「……お前は?」
「私?」
そういえば、まだ名乗っていなかった。
「アイリス・レイン」
「……アイリス」
小さく呟かれた自分の名前が、妙に耳に残った。
「うん。アイリス」
「……」
「どうしたの?」
「……別に」
シオンはそう言って視線を逸らした。
どうしたんだろう、変な人だな。
……まぁ、でも。
「シオンって、思ってたより優しいんだね」
「……は?」
「だって、こんな小さな怪我まで手当してくれたし」
「普通だろ」
「だから、普通じゃないよ」
私の言葉に、シオンは少し目を見開いた。
「私だったら、こんな面倒なこと絶対してあげないもん」
「お前……」
呆れたように見られる。
「……自分で言うなよ」
「ふふっ」
なんだか、少しだけ楽しくなってきた。
ルカがいなくなってから、こんなふうに誰かと普通に話したのは久しぶりだった。
……いけない。今はそんなことを考えている場合じゃない。
私はルカを探しているんだから。
「じゃあ、シオン。いろいろありがとう」
