「冗談でも、言って良い事と悪い事があるでしょ?!」
教室の凍った空気を破ったのは、怒りを露わにして、音無くんに詰め寄った彩ちゃんだった。
「それに、音無には関係ないんだから、外野がごちゃごちゃ言わないでよ!真緒を悪く言ったら承知しないんだから!!」
彩ちゃんの勢いに、押される。
「本当に見たんだって!二人で仲良さそうに話してるの、」
「真緒と都鳥が二人で、ファミレスで仲良く話しちゃいけなわけ?!男女の友情は成立しないって、言いたいの?!」
「こそこそして、怪しい感じだった!」
「それは音無の個人的な主観でしょうが!!」
彩ちゃんと音無くんの激しい、言い合いに誰も口を挟めない。
「廊下の方まで聞こえて来たぞ。何を揉めてる。」
担任の涼風先生が朝のホームルームをしに、教室に入って来た。
「……音無くんが入夏さんに対して、失礼な発言をしました。桜森さんがそれに腹を立て、言い争いになりました。」
クラス委員長の月守さんが口を開いた。
「言われた本人がだんまりを決め込んでるのって、」
椎奈さんに挑むような視線を向けられる。
「図星をつかれたから、何も言えないんじゃない?」
葵くんの姿はまだ、教室になかった。
「葵がかわいそう。」



