「着替えて来るから、ちょっと待ってろ。」
都鳥くんは優しい。
トレーニングウェアから制服に着替えた、都鳥くんからは制汗剤の香りがした。
「……まず、見て欲しいものがある。」
私はそう切り出した。
彩ちゃんとたまに行く、ファミレスにやって来た。
ドリンクバーを注文して私はアイスティー、都鳥くんはアイスコーヒーをグラスに注いで、席に着いた。
「驚かないでね。」
「怖い前振りだな……。」
私と都鳥くんは、ファミレスの奥のソファ席に座っていた。
私が店員さんになるべく、人目につかない奥の席が良いのですがと、お願いした。
たまたま空いてたから、店員さんは通してくれた。
制服のリボンを解いて、シャツのボタンを三つ外した。
シャツの襟元を開けて、都鳥くんに見えるようにした。
「……ペットに噛まれたのか?」
「飼ってない。……葵くん。」
「つまらんボケをした……。」
処女喪失の痛みより、こっちの噛まれた方が痛かった。
私の首筋には噛み付かれた時に出来た、歯型が残っていた。
「噛むのって、普通?」
ボタンを留めて、リボンを結んだ。
「普通ではないな。」
「葵くんって、人を噛むのが好きなの……?」
情事の最中、急に噛まれた。
ドラキュラかと……。
衝撃的だった。
「本人に聞いてくれ。そういう性癖な場合もあるが。」
「……痛いのは嫌。噛まないで欲しい。」
「そう、葵に言え。」



